動物の保護は最近ようやく始まったばかりですが、鶏を筆頭に、今後も豚や羊、牛などの畜産動物の保護・リハビリをしていく予定です。
サンクチュアリーを訪れてくれた方々には、主に3つのテーマで啓発活動を行っています。
動物たちは劣悪な環境に閉じ込められ、麻酔を使わないためにひどい痛みを伴う処理が施されます。家畜動物は生き物としてではなく商品として扱われ、深刻な身体的・心理的な苦痛を受けた後に屠殺されます。 人権侵害は搾取的な労働慣行という形で行われ、低賃金労働者たちが工場型農場や屠殺場で危険と精神的苦痛を伴う作業を担っています。こうした労働者たちは工場型農場の近隣に住むことが多く、動物たちの排出物が引き起こす空気・水質汚染による影響を直接受けています。 畜産業は世界の貧困とも密接に関係しており、満足な食事を得られない世界の子供達の82%が、より豊かな先進国に輸出するために人間よりも家畜に優先的に食事が与えられる国々で暮らしています。
この産業は、温室効果ガス排出量の18%を占めており、全世界の交通手段をすべて合わせた量よりも多いとされています。さらに、アマゾン森林破壊の91%の原因となっており、現在では地球の陸地の45%が家畜のために利用されています。 動物性農業は、海のデッドゾーン、水質汚染、生息地の喪失、種の絶滅など、さまざまな環境問題の主要な原因でもあります。地球上の哺乳類のうち、**野生動物はわずか4%**であり、60%が家畜、36%が人間です。 また、動物性農業は地球上の淡水資源の3分の1を消費しており、ハンバーガー1個には約660ガロン(2,500リットル)の水が必要です。対して、ヴィーガンの食生活は、肉や乳製品中心の食事に比べて18分の1の土地しか必要とせず、炭素排出量も50%削減することができます。
動物性農業は、抗生物質耐性の拡大にも大きな影響を与えています。これは、全世界で使用される抗生物質の70〜80%が動物に使用されているためです。狭く不衛生な飼育環境により病気が広がりやすく、その結果として抗生物質が大量に使われています。さらに、このような環境は鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症(ゾーノーシス)の拡大も助長します。 一方で植物性の食事は、コレステロールゼロ、抗生物質不使用、飽和脂肪が少なく、食物繊維や抗酸化物質が豊富です。これにより、2型糖尿病、心臓病、肥満などの慢性疾患を予防・改善する効果があるとされています。そしてもちろん、動物への残酷な扱いもなく、使用する水や温室効果ガスの排出量もごくわずかです。
より多くの人々に、動物、地球、そして私たち人類のことを考えた、より良い決断をしてほしい。それが私たちの願いです。